ワイン造りは、紀元前8000年ごろに、コーカサス周辺ではじまったといわれています。それが、どんどん世界中に広がり、今や、世界中のあらゆる場所でワインが作られています。
さまざまな国、地域で作られるワインは、その地方の気候や土壌、住む人の嗜好などによってさまざまな味わいになります。
地方によって異なるワインを味わうことは、ワインラバーにとって、とても楽しみなことです。
それぞれの地域による味わいの差を知る前に知っておいていただきたい言葉が、「旧世界」「新世界」です。
〇 「旧世界」「新世界」とは?
いきなり、歴史のロマンを感じさせる言葉に戸惑ったかもしれませんが、これは、その地域のワインが、「大航海時代」以前or以降に作られたかということを表しています。
コーカサス周辺で始まったワイン造りは、ヨーロッパ、とくにブドウの栽培に適していた地中海沿岸に瞬く間に広がりました。
ところが、コロンブスがアメリカ大陸を発見した「大航海時代」「以降」、ブドウの栽培に適するのは、地中海周辺だけとは限らないということがわかり、ブドウが世界中で栽培され、ワインが作られるようになりました。
「新世界」で作られるワインは、伝統的な従来の方法を工夫し、革新的な方法で作られることもあり、味わいでも、「旧世界」に負けず劣らずの成果を出しています。
どちらが上かというような優劣の問題ではなく、ワインの世界には、「旧世界」「新世界」というカテゴリーわけがあるということは知っておいて損はないと思います。
どんな国が「旧世界」「新世界」なのかまとめました。
「旧世界」:フランス、イタリア、ドイツ、スペイン、ポルトガル、オーストリア、ハンガリーなど
「新世界」:アメリカ、チリ、ニュージーランド、オーストラリア、アルゼンチン、南アフリカ、日本など
〇 「旧世界」の代表的産地の特徴
- フランス
フランスといえば、バケット、チーズ、ワインと言うオシャレなイメージですが、生産量は、イタリアが首位で、フランスは2位に甘んじています。
しかし、フランスのワインは、原産地呼称統制法(A.O.C)によって、厳しい規制を受けています。それが、フランスワインの正統性の証でもあります。
フランスワインは、デリケートで複雑な味わいで、どちらかというと玄人受けする味わいです。ワインビギナーさんには、なかなかわかりにくいかもしれません。
フランスワインには、ボルドー、ブルゴーニュ、シャンパーニュなど世界に冠たるワインが綺羅星のごとく存在しています。
※対象国の代表的なワインリンク
- イタリア
先ほども書きましたが、イタリアのワイン生産高は世界一で、イタリア全土でワインが作られています。それぞれの州ごとに,それぞれの味わいのワインがあります。
イタリアワインは、コスパの良いワインから、世界最高品質のバローロ、バルバレスコ、フランチャコルタまで、そして特徴的なワインまで、あらゆるワインがそろっています。
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- スペイン
スペインのブドウ栽培面積は、世界1位です。
スペインワインと言えばアンダルシア周辺で作られるシェリーです。スペインを代表するワインであり、スペインワインの歴史は、シェリーの歴史でもあります。
もう一つ、CAVAはしっかり覚えておきたいです。本格的なスパークリングワインで、シャンパンに負けず劣らずの華やかさを持っています。
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- ドイツ
ドイツでは、白ワインの生産が全体の半分以上を占めています。
ドイツワインの特徴は、ドイツの位置と関係があります。緯度的には日本の北海道より北にあるドイツでは、南の国で栽培されるブドウに比べて糖度が低く、繊細な味わいの、アルコール度数も10度前後のワインになります。ドイツのフルーティな白ワインには、ファンが多いです。
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〇 「新世界」の代表的産地の特徴
- アメリカ
アメリカワインと言えば、カリフォルニアワインですね。アメリカで作られるワインの90%を占めています。
温暖なカリフォルニアで育つブドウは糖度が高く、甘く、馥郁とした香りのワインになります。
※対象国の代表的なワインAFリンク
- チリ
最近、チリワインが、日本でも人気を集めています。ブドウ栽培に適したチリの気候は、ブドウの品質が一定に保たれ、ワインの味も安定しています。
1種類だけのブドウを使ったワインは、ビギナーさんにも味の特徴がわかりやすいです。
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- ニュージーランド
ニュージーランドでは、白ワインの生産が全体の8割以上を占めています。とりわけ、ソーヴィニョン・ブランを使ったワインは好評を博しています。
ハーブのようなフレッシュでフルーティな香り、シャープな辛口の味わいが、人気の秘密です。
ニュージーランドワインの90%以上でスクリューキャップが使われているのも特徴です。
※対象国の代表的なワインリンク
まとめ
ワインの楽しみの一つが、それぞれの国、地方のワインを飲み比べてみることです。これが同じワインと言われる範疇のお酒なのかと思うほど、味わい、風味とも異なります。
ここに挙げた代表的な国の特徴を参考にしていただき、ワイン世界一周をお楽しみください。