ワインを飲むということは、単にのどを潤すためとか、酔うためとか以上の何かがあるような気がするのは、筆者だけでしょうか?
ヨーロッパ、特にフランスやイタリアなどでは、ワインにまつわる歴史上のエピソードがここかしこにあります。
そんなワインの歴史を紐解いてみませんか?ワイングラスを傾けるとき、きっと味わいが深まることでしょう。
〇 ワインは神話の時代から!
日本酒が古事記や日本書紀に登場するように、ワインもギリシャ神話にすでに登場しています。大げさに聞こえるかもしれませんが、人類の誕生と同時にワインの歴史が始まったといっても過言ではないぐらい、密接な関係が始まりました。
ワインが人類の歴史に登場したのは、BC5000年ぐらい前、ワインについての最古の記述は、BC5000~4000年の間の出来事をまとめた「ギルガメシュ叙事詩」です。その中では、古代バビロニア王ギルガメシュが、洪水に備えて船を作らせたとき、船大工にウィンをふるまったと書かれています。
BC5000年ごろ、ワイン造りは古代オリエントで始まり、メソポタミア、エジプト、フェニキア、そしてギリシャに伝わりました。ギリシャ神話にもブドウ栽培のことやワインの神様デュオニソス(バッカス)が登場します。ギリシャには、実際に使われたBC16世紀ごろの足踏み式破砕機が残っています。
〇 キリスト教とワインの密接な関係
BC58年ごろ、ワイン造りはギリシャからローマに伝わりました。その後、ローマ帝国の勢力拡大とともに、ヨーロッパ各地に広がります。フランスでワイン造りが盛んになったのは、ジュリアス・シーザーのせい(おかげ?)といわれています。
ローマ帝国の領土拡大とともに、ワインが広がった大きな原因は、キリスト教です。聖書の中にはワインにまつわる記述が多いです。キリスト自身、「パンは我が肉、ワインは我が血」といっています。
キリスト教のミサや聖餐(せいさん)では、イエス・キリストの最後の晩餐にちなんで、パンとワインをいただき、自らの信仰を示します。そのため、ワインが必要になり、修道士、修道院でのワイン造りが盛んになります。12世紀には、フランスを経て、イギリス、ドイツ、北欧へと広がりを見せます。
〇 旧世界から新世界へ!
コロンブスのアメリカ大陸発見など、大航海時代を迎えます。それとともにワイン造りも世界中に広がっていきました。
ワイン造りが世界中に広がったのは、世界中にブドウ造りに最適な土地がいっぱいあったことや、キリスト教の布教も一役買いました。
大航海時代までにワインが作られていた国を旧世界、大航海時代以降の国を新世界と呼びます。
アメリカ大陸にブドウをもたらしたのはスペイン人で、その後チリ、アルゼンチンと広がっていきます。アメリカのワインと言えばカリフォルニアですが、カリフォルニアで最初にワインを作ったのは1776年、やはり修道士でした。
南アフリカにはオランダからブドウが持ち込まれ、1659年からワイン造りが始まっています。
オーストラリアには1788年、ニュージーランドには1819年にイギリス人によってもたらされています。こうして世界中にブドウ栽培、ワイン造りが広まりました。
ちなみに、日本でワインを初めて飲んだのは、誰だかご存知ですか?なんと、あの織田信長だそうです。では、日本に初めてワインを持ちこんだのは誰でしょう?あの(!)フランシスコ・ザビエルです!
そんな日本でも、現在は各地で美味しいワインが作られ、世界的なコンクールでも受賞するようになりました。
まとめ
ワインの歴史のほんのさわりをまとめました。いかがでしたか?興味を持たれたでしょうか?ワインの歴史は調べれば調べるほど面白いです。夢中になること間違いなしです。
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