いつもの居酒屋で、「とりあえず生中!」っていうのもいいですが、ちょっとおしゃれにキメてみたいときってないですか?
そんな時、ワインバーで、スマートにワインをオーダーし、グラスを傾ける・・・っていうのはどうでしょう?
〇 ワインをスマートに開けよう!
「今夜はスマートにワインを傾ける」って気取っているのに、ワインを開ける段になって、バタバタしたくないですよね?ここでは、スマートなワインの開け方を伝授します。
ワインを開けるときによくやる失敗には、コルクのかけらがボトルの中に落ちてしまったり、スパークリングワインがあふれてしまったり・・・。こんなことがないよう、ワインのスマートな開け方、マスターしてくださいね。
まず、ワインの栓についてのお勉強です。ワインの栓には、大きく分けて、次の3タイプがあります。
- スクリューキャップ
- コルク栓
- スパークリングワインのコルク栓
◇ ワインの栓のタイプ別、スマートな開け方
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スクリューキャップ
ワインと言えば、ソムリエナイフとワインオープナーでかっこよく開けるイメージがありますか?スクリューキャップって、どんなイメージですか?「安物のワイン」というイメージをお持ちなら、今ではずいぶん様変わりしています。なんと、ニュージーランド産ワインでは、90%以上がスクリューキャップです。
「スクリューキャップなんて簡単に開けられる!」って高をくくっていませんか?まずは基本に忠実に開けましょう!
片方の手で、キャップのミシン目より下を持ちます。一方の手で、ボトルの底を支えて持ちます。
キャップを回さず、ボトルを回しましょう!
ミシン目が最後まで切れた音がしたら、キャップを回します。
スクリューキャップがワインに使用されるようになったのは、1970年からです。今や、スクリューキャップも、ワインの世界で存在感を増しています。
キャップが切れるまではボトルを回し、切れたら、キャップを回して外すのが基本です。大切な時までに、一度練習しておきませんか?
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コルク栓
ワインの栓を開けるといえば、昔ながらのコルク栓でしょう!これをかっこよく、スマートに開けたら、周りの人から一目置かれるかもしれません!
ソムリエナイフの刃を使って、キャップシールに切れ目を入れましょう。
切れ目が入ったら、縦に切れ込みを下から上へ入れましょう!キャップシールの上部を切り離します。
ワインオープナーのスクリュー部分をコルクの中心に刺し、回して根元までねじ込みます。
フックをボトルの口に引っ掛けます。
フックが外れないように気を付けながら、レバーを上に持ち上げます。まっすぐに持ち上げるのがポイントです。
コルクが残り1㎝弱になったら、手でコルクをつまみ、ゆっくり丁寧に引き抜きましょう。
いろんなタイプのワインオープナーがありますが、やり方は同じです。
やはり、練習と慣れが必要です。
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スパークリングワインのコルク栓
うれしいイベントの時など、さっそうとかっこよくスパークリングワインを開けることができたら、男(女)をあげますよ!もたもたしたら、百年の恋も冷めちゃうかも?
包装をはがしましょう!
タオル(ナプキン)などをかぶせます。タオルの上から栓をしっかり押さえながら針金を緩めましょう。
しっかりボトルを固定し、瓶の底を回しましょう。スパークリングワインの開栓は、危険です。瓶の口を人の方に向けないようにしましょう!
〇 ワインの注ぎ方とマナー
ワインをスマートに注げれば、ホームパーティのホストとして合格!さらに、マナーを知っていれば、すてきな高級レストランでも、どぎまぎせず、余裕でワインに接することができます。ワンランク上の大人のためのワインの注ぎ方とマナーをご紹介しましょう。
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ワインボトルはどう持つの?
ソムリエやサーバーは、スマートに片手でワインボトルを持ち、注いでくれます。かっこいいですよね。真似したい気持ち、すごくよくわかります。
でも、慣れないのに、片手で持ってこぼしたり、落としたりすれば、その場の雰囲気が台無し!慣れないうちは、無理に片手で持つ必要はありません。大切なことは、しっかりと持つことです。
ワインボトルの正しい持ち方は、ワインボトルの底のくぼみに親指をいれ、残りの指でボトルを支え、もう一方の手をボトルにあて、注ぎます。
ラベルは上向きにします。ワインの銘柄を飲む人にわかるように、ラベルが汚れないようにするためです。
冷やしたワインボトルを持つときは、ナプキンの上からボトルを持ちます。手の体温でワインがぬるくなるのを防ぐためです。ボトルの口のしずくの垂れもサッと拭けます。
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ワインの注ぎ方のポイント
ボトルからダイレクトにグラスに注ぐ場合、デキャンタに移して注ぐ場合(これを、デカンタージュといいます)があります。
ボトルからダイレクトに注ぐ場合の注意点は、ワインボトルの底にたまっている「澱(おり)」が入らないようにすることです。澱は飲んでも問題はありませんが、タンニン、ポリフェノール、たんぱく質が結合したものなので、渋みがあり、舌触りも悪くなって、ワインの風味を損ないますから、入らないよう、ゆっくり、やさしく注ぐことが大切です。
ボトルがグラスの口に触れないように注ぎましょう。さらに、ゆっくり丁寧に注ぐことが大切です。ドボドボと勢いよく注ぐのはNGです。グラスの少し上から、空気に触れるように注ぐのがベストです。
注がれる方も、ワイングラスは持ち上げません。
ワインは、グラス一杯まで注ぎません。1/3ぐらいを目安にしましょう。香りを楽しむため、スワリング(空気に触れさせるよう、グラスを回すこと)のためです。
何人かの人に注ぐ場合は、同じ量になるようにするのが基本です。注ぎ終わったら、しずくが落ちないよう、ボトルを回しながら、上向けにします。
デキャンタからの場合は、澱が取り除かれているので、あまり神経質になる必要はありません。
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ワインの注ぎ方の基本的マナー
複数の方がおられるときの注ぐ順番は、女性から、そして、女性が何人かの場合は年配の方から注ぐのが基本的マナーです。
カジュアルなホームパーティでなければ、基本的に、女性が男性にワインは注ぎません。男性が女性に注ぎましょう。
日本酒だと、注ぎ足すときには、杯を空にしてからといわれますが、ワインのタイミングは異なります。グラスに1/4程度残っているタイミングで、ひと声かけて注ぎ足すのがスマートです。
なぜなら、グラスの底に少しだけ残ったワインをそのままにしておくと、空気に触れすぎ、ぬるくなったりしてワインの風味が変わるからです。
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スパークリングワインを上手に注ごう!
ポンっといい音を響かせて開けたスパークリングワインを上手に注ぎましょう。一般的なワインとは注ぎ方が違います。
スパークリングワインを勢いよく注ぐと泡だってこぼれますから、2回に分けて注ぎましょう。1回目は、グラスの八分目ぐらいに泡の上部が来るように注ぎます。泡が収まってから、2回目をグラスの六分目ぐらいまで注ぎましょう。この方法だと、あふれてこぼれるというようなことは起こりません。
スパークリングワインを開栓前にはキリっとよく冷やしておきましょう。スパークリングワインのボトル内は、通常でも高い圧がかかっています。気温が高い時に、冷やさないまま開けると、ワインが吹きこぼれてしまいます。ほとんど吹きこぼれて中身がなくなったとか、コルク栓が勢いよく飛んだとかにならないよう、十分冷やしておくことをお忘れなく!
開栓の際には、ボトルを斜めに持ちましょう。また、注ぐ際には、ナプキンの上からボトルを持ちましょう。
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注がれる人のマナー
ワインを注がれるときも、スマートに注がれたいですね。注がれるときには、ワングラスは持ち上げません。日本酒やビールと大きく違う点です。グラスを持つことによって、ワインが体温でぬるくなることを避けるためです。
ワイングラスの持ち方も、キメたいですね!ステム(グラスの脚部分)の上部を親指、人差し指、中指で持ちましょう。とても美しく見えます。
レストランなどでは、ソムリエやウエイターに、アイコンタクトの上、注いでもらいましょう。まちがっても、手酌、注ぎあいはNGです。ホームパーティ、カジュアルレストランなどでは、事前に「自分たちで飲みます」といっておけば、自分たちのペースで楽します。
これ以上注いでほしくないときは、指先でグラスのふちをそっと触れます。また、たくさん飲めない場合は、「少な目でお願いします」とこちらの気持ちを伝えましょう。はっきり言うことは失礼にはなりません。グラスについた口紅は、指で拭った後、ナプキンで指をぬぐいましょう。
マナーを堅苦しく考えず、かといってくだけすぎず、常識の範囲で、ワインを楽しんでください。
〇 ワインをスマートに飲みましょう!
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スワリングって知ってますか?
映画の中で、ワイングラスを回している人、見たことありますか?バーでもいますよね。何をしているんでしょう?あのグラスを回すことを「スワリング」といいます。
グラスを回すことによって、ワインを空気に触れさせます。ワインの風味に絶妙の変化をもたらすためです。香りがパーッと広がります。「ワインが開く」と言います。言いえて妙ですよね。
一度やってみてください。
グラスを手にもって回す、あるいはテーブルに置いたまま回すという方法があります。どちらでもいいですが、立食パーティなどでは、手にもって回します。テーブルについている場合は、テーブルに置いたまま回すと安定します。
スワリングは、反時計回りに回すのがエチケット!これだと、グラスからワインが飛び出ても、人にかけず、自分にかかるだけだからです。なるほどでしょ?
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それぞれのワインの最適温度
「白ワインはキリっと冷やして、赤ワインは常温で」とはよく言われますが、ワインの種類によって、おいしくいただける温度帯があります。もし、適切でない温度でワインを飲むと、やはりおいしさが半減します。
レストランなどでワインを注文すると、ベストコンディションの状態のワインがサーブされます。でも、自宅などで飲む場合は、自分で温度管理をする必要があります。
ワインの種類別の最適温度、目安温度をまとめましたので、参考になさってください。
◇ ワインの種類別最適温度 ◇
◆ フルボディの赤: 15~18℃
冬なら、室温。
夏なら、飲む前、30分ほど冷蔵庫で冷やしましょう。
◆ ライトボディの赤: 10~15℃
飲む15分ぐらい前に、冷蔵庫から出しましょう。飲み頃になります。
◆ 辛口の白、ロゼ: 6~13℃
飲む直前に冷蔵庫から出して、グラスに注ぎましょう。
◆ 甘口の白、スパークリング: 2~6℃
ワインの中では、一番冷やして飲みたいワインです。まさに「キリっと」冷やしたワインです。
飲む直前まで冷蔵庫で冷やしておくか、ワインクーラーにたっぷりの氷水を入れて冷やしましょう。
どうでしたか?ワインの種類によって、2~18℃までの温度の開きがありました。たとえ、安いワインでも、最適な温度帯のワインはおいしく感じられます。逆に高いワインでも、温度帯がふさわしくなかったら、おいしく感じられません。
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スマートにワイングラスを持ちましょう。
先ほども少しだけワイングラスの持ち方について書きました。最後にまとめておきますね。
ワイングラスの持ち方にカチッとした決まりはなく、国によってさまざまです。日本では、ステム(ワイングラスの脚部分)を3本の指で持つのが一般的です。
ワインはとても温度にデリケートです。ボウル部分を手で持つと、体温で温まってしまいます。そのため、ステム部分を持つことがいいとされています。さらに、ボウル部分にシモンが付くのもスマートじゃないですよね。
まとめ
ワインを美味しく飲むための開け方、注ぎ方、飲み方、温度管理の仕方についてまとめました。
「なんだか面倒くさそう・・・」と思いましたか?この手間がかかるところがワインのワインらしいところです。缶ビールがプルトップをプシュッと引っ張るだけで飲めるのとはちょっと違います。
この一手間を楽しんで、ワインを味わってみてください。きっと豊かな暮らしが待っています!